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いつか、君の声がー14
-隼人と一緒にいる事はできない。
それは隼人が俺に告白してきた時から決めていた事だった。
-幼い頃からの三角関係。
幼稚園の頃、隼人と俺は出会い、小学校の頃寧音と出会う。
お互い、一目惚れ。
俺は隼人に、隼人は寧音に、寧音は俺に。
報われる事のない、三角関係。
気付いてないのは隼人だけ。
もともと俺は隼人に自分の気持ちを告げようなんて考えてなかった。
寧音はプライドが高いから、自分が傷付く真似は絶対、しないだろうと。
だから…これは、寧音の気持ちを軽く考えていた俺の失敗。
…寧音が隼人と付き合う振りをしてまで隼人と俺を引き離そうとするとは思わなかった。
その上、一生、告げるつもりのなかった俺の気持ちまで隼人に告げるなんて…。
俺の気持ちを知れば、隼人は俺から離れていくと考えての行動だろうけど。
まさか、隼人が俺に…なんて寧音も思わなかっただろう。
俺も吃驚だ。
…でも、隼人と俺を引き離そうとした寧音の作戦はある意味、成功した。
-隼人と両思いになった今、俺は隼人から離れていく。
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