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いつか、君の声がー15
-今、隼人は俺と両思いになった事で浮き足立っていて…側で見ていてもわかる程、浮かれているだろう…実際に見なくても、想像がつく。
(…ま、そういうところも好きなんだけど)
でも、きっと、今の隼人は周りが見えていない。
寧音がどんな危険な女性かも…。
…まあ、それは俺も言えた義理じゃないけど。
俺も寧音を甘く見ていたから。
でも、もう間違えない。
きっと、寧音は今、隼人と俺を引き離すつもりでした事が裏目にでて、焦っている。
反対に、自分のした事が隼人と俺を近づけてしまった原因だと知ったら…隼人と俺の仲を皆にバラす…事くらいは平気でするだろう。
それが、たとえ、自分のプライドを傷付ける行為だとしても。
皆に…友人、知人…もちろん、家族にも。
別に俺は知られてもいい…どうせ、両親には薄々、気付かれているみたいだし…。
でも、隼人は-。
隼人の両親は………。
……根が真面目な隼人は嘘が吐けない。
嘘を吐いてもすぐ、バレる。
問い詰められたら、正直に話してしまうだろう。
そんな事…隼人の両親が許すはずがない。
きっと、隼人は家族と俺の間に挟まれて、悩んで苦しんで…結局、どちらも選べなくて…壊れてしまうだろう。
そんな隼人は見たくないし、隼人の家族仲を壊したくない。
きっと、寧音は平気でそれをする。
寧音を止めるには、俺が隼人から離れるしかない。
だから-----。
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