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33♡ 4P
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怖い、怖すぎる……。
聖南の目がイッちゃってる。
「んっっ………んん、…んっ……」
肩口を壁に押さえ付けられ、強引に口付けられた。
何度も方向を変えながら、ベッドの上でするような腰砕けなキスを受けると足が震えて立っていられない。
ぎゅっと目の前の聖南の衣装にしがみつくと、顎を持たれてさらに上向かされた。
「目の前で見せやがったな、他の男とのキス」
「それは仕方な…っんっ……やめっ……」
「仕方なくねぇ! 咄嗟に顔背けんだよ、普通は!」
「んん……わかんな、……もん…っ」
乱暴に舌をぶつけ合わされて、唾液を飲まされて、唇を開き過ぎてさっき噛んだ端がヒリヒリした。
やっぱり俺が怒られるんだ…。
「分かんないで許されるか! ったく。 帰るぞ、荷物は?」
唇を離してぎゅっと押しつぶされそうなくらい抱き締めてきたけど、まだまだ怒っているのは心臓の音で分かった。
ドキドキしてるのに気付いてしまうと、俺も緊張してくる。
「ふぅっ……はぁ、……スマホと財布、ポケットにあります」
「駐車場行って先に乗ってろ。 これ持ってドア開ければ勝手に鍵開くから」
「分かりました…」
鍵を渡され、「車はエレベーターからすぐ見える位置にある、ナンバーは1」と言って聖南が離れていこうとしたんだけど…俺はなぜかひらりと揺れたマントを掴んで引き止めてしまった。
「それ…もう着替えちゃうんですよね?」
「あぁ、秒で着替えてくっから車で待ってろ」
……………待てない。
この聖南の久々の衣装姿で、本番前にキスされた時からヤバかったんだ。
どこかの王子様みたいな出で立ちの聖南に熱いキスなんかされたら、もう動けない。
さっきだって、反応した自身を必死で宥めるためにしゃがんでたんだし…。
今も足に全然力が入らないし、何より、聖南からのぎゅっが足りない…!
「聖南さん、舌」
「……………………は……?」
「聖南さん………」
初めての俺からの誘いに、聖南は呆然と見下ろしてる。
目一杯つま先立ちして聖南の首元に腕を回し、薄っすら開いた唇から舌を入れるとガバッとようやく抱き締めてくれた。
「……我慢できねーの?」
「……………うん…」
今さら恥ずかしくなって俯いて頷くと、苦々しく舌打ちした聖南が扉の鍵を締めて電気を消した。
「クソッ、可愛過ぎ。 お前の存在が罪」
罪って……なんも悪い事してないよ、俺。
自分から誘ってしまった事にこれ以上ないほど照れてしまうけど、聖南も余裕がない事くらい、顔を見てれば分かる。
奥のソファへ連れて行かれると、押し倒されて、潰れてしまうほどの勢いで抱き締められた。
「…………声、少し抑えろよ。 俺の体噛んでいいから」
「やだ、聖南さんは噛まない」
「ワガママ言うな。 お前が傷付く方がヤダ」
自分の唇でも腕でも噛んでやる。
痛みなんて、聖南がくれる快楽に比べたらなんて事ない。
聖南は怒りの感情を少し和らげてくれたみたいで、熱ではなく欲に濡れた瞳でジッと見詰めてきて、時折重なるだけのキスをしてくる。
ソファはやりにくいけど仕方ない、って呟く聖南が衣装を脱ごうとボタンに手を掛けていて、ぼんやりその姿を見ていた俺は慌ててそれを止めた。
「あ! 待って、脱がないでください!」
「あぁ? ……なんで、…って、あーこれ? 葉璃ってコスプレ趣味でもあんじゃないの」
「………否定できないです、ね…」
聖南は自身の王子様衣装を指差して俺を笑うけど、ほんとにかっこいいんだからしょうがないと思う!
この衣装といい、昨日のフォーマルスタイルといい、眼鏡掛けた姿といい、大前提で聖南がイケメン過ぎるのがいけないんだ。
俺にコスプレ趣味があったとしても聖南は付き合ってくれるみたいで、スーツとカッターシャツのボタンを外して前だけ肌けるというセクシー過ぎる格好になった。
「これは取るぞ、動けねー」
聖南が肩口に掛かる大きなもふもふを取り外していたから、ずっと気になってた俺もそれに触って感触を確かめてみた。
「わぁ……ふわふわ……」
「…………何してもかわいーな」
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