｢古志くん…駄目です…今なら、大丈夫ですから…｣ 何が大丈夫なんだ 拒絶の言葉なんて知るかよ ｢一種の熱病です……気付いてください…っ｣ あﾞー… イライラする ｢古志くん…っ｣ 胸ぐらを掴んで顔を近付ける。 自分の半分程しか生きてない子供に怯え涙を溜めている教師は歳の割りに若く見える。 そして、ほんの少し生物室のにおいが鼻を掠めた。 ｢先生の好きなハムスター、どんぐりも同性愛行動するよ。｣ ｢え、｣ ｢ブルース・ベージミルの研究で交尾に限らなくても1500近くの種の同性愛行動が観察されてるの知ってるよね？ 特に社会性鳥類と海洋哺乳類、霊長類で性行為は多い。 生物教師なら知ってるでしょ。｣ ｢あ、でも…それは…｣ ｢それともオス同士で仲良く暮らしてたペンギンにしたみたいに電気ショックでも与えてみる？ ははっ、そのペンギン達はそんな残虐な事をされても生涯を共にしたよね。 そうだろ、先生？｣ ｢は、い…｣ ｢ニホンザルだって、アフリカゾウだってそうだよ。 それを熱病だ、なんて済ます？｣ ｢ご…ごめ、なさ…｣ ｢交尾してるキリンの９割はオス同士だし、アメリカバイソンはアナルに挿入してるのも確認済みだから動物として異常なんかじゃないよ。｣ 泣きそうな顔してやんの だから…交尾しようよ せんせ