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第3話

古志くんは不思議な生徒です。 僕みたいなモサくてダサくて地味な男が好きだと言います。 同時期に赴任された長岡先生みたいな端正な顔立ちならまだしも。 「どんぐりー、飯だぞー。」 生物室で飼育してるハムスターのどんぐり。 どんぐりの面倒を見てるのは生物部唯一の部員である古志薫くん。 「便所飯はやめろよ。 出てこいっ。」 「……」 せっかくの昼休みを古志くんは生物室で過ごす。 友達がいない訳じゃない。 彼には友人が沢山いる。 女の子といるのも見掛ける。 彼女にしてはコロコロ変わるし人数も多い。 チャラチャラと言ったら失礼だが脱色した髪に気崩した制服、平均より少し高い頭は髪色のせいもあり遠目からでも目立つ。 勉強は何時しているのか出来ているし才色兼備と言うか羨ましい。 かく言う僕はしがない生物教諭。 これと言った趣味もなく学校と家の往復の毎日。 離島生まれで実家はフェリーで数時間かかり、それだけが原因ではないが友人も少ない。 数少ない友人の1人がハムスターのどんぐり。 そのどんぐりに甘い笑顔で話しかけている生徒に、僕は迫られている。 「お前の飼い主の飼い主は俺だからな。」 相川光輝、31歳。 職業、高校教諭。 童貞より先に処女を奪われました。

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