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第9話
コン、コン、コン
ノック音に返事をすると綺麗に口角の上がった古志くんが扉を開けた。
その笑顔は何時ものキラキラしたものとは違い、冷や汗が背中を伝う。
「相川せんせ、俺さぁ、一昨日の先生の発言に傷付いちゃった。
同性愛を打ち明けたのに否定されて悲しいなぁ。
謝ってよ。」
「え、あ…すみません、でした…。」
「うん。
じゃあさぁ…」
唐突に、何を言っているのか理解出来なくて言葉通り謝罪を口にする。
上辺だけの謝罪なんてなんの意味もない。
改めて謝罪しなければと顔を上げて心臓が跳ねる。
にやりと笑う古志に相川は動けなくなった。
「俺のちんこ舐めてよ。」
なに…を……いっ、て…
「態度で示せって言ってんの。
それとも謝罪は口だけ?
口だけなら誰だって出来んだよ。
すまないって思うなら早く。」
「……っ」
ゆっくりとひざまずく様は許しを請いてるかのよう。
もさい髪にださい眼鏡、服装も地味。
おどおどしながら震える手でチャックに下ろす。
「ベルトも外せよ。」
「……はい…」
古志くんのにおいが近い…
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