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第18話
何事もなかったの様に日々を過ごすしかない。
相手は生徒だ。
ここで自分が騒げば、彼のこれからの人生に影響するかも知れない。
それだけは…
「あの、相川先生?」
「え、長岡先生…?」
名前を呼ばれた方を向くと同期に赴任された長岡さんがいた。
長身の先生の手にしたファイルに視線を下げはっとする。
そうだ、印刷してたんだ…っ
「あ、コピー機使いますかっ。
すみません。
ぼーっとしてしまって…」
「いえ、こっち使いますから大丈夫ですよ。
それより大丈夫ですか?
入って来たのも気付かれてない様でしたけど。」
「すみません…。
少し、考え事を…、」
長岡さんの整った顔が自分を見ている。
綺麗な顔だ。
古志くんとは違った格好良さ。
古志くんは、甘い顔立ちで笑うとあどけなくて
僕は、
僕…は、?
「どうされました?」
「あ、いえ…」
僕はなんなんだ…
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