73 / 83

第73話

自己処理の時だってこんな音はしない。 古志に触れられている事もそうだが、この状況に興奮しているなんて破廉恥だ。 「は…っ、く……ぅ、…ぅ゙」 前後の刺激に頭がどうにかなる。 古志の手を掴み頭を振っても止めてはくれない。 過ぎる快感に慣れていない身体はもう絶頂間近。 ビクッと腰が跳ね、息が出来なくなってきた。 いつも無意識にしている事なのに意識しないと呼吸が出来ないなんておかしな話だ。 「い……、い…っく」 「イってください。 えっちな姿見せてください」 恥ずかしいのと情けないのとで涙が出てきた。 こんな早く絶頂を迎えてしまうなんて。 でも、それほどに古志の手は気持ち良い。 若い腕を脚が挟み、お世辞にも鍛えられたとは言えない腹が震える。 イく… 古志くんの手に……出しちゃ、う…… よご、し…… 「……ご、……め、なさ…っ」 気持ち良い射精。 目が眩む様だ。 まだ尿道に残っている精液を搾り出すようにゆっくり上下し、同時に声も絞りでる。 こんな媚びた声が自分の喉からしているなんて考えただけで頭がどうにかなりそうだ。 あっさりと吐き出された白濁に漸く古志の手が止まった。 「どろっどろ。 光輝さん、舐めてください」 「え……」 「ほら、垂れますよ」 腰を動かされながら舐めろと言われる前に素直に従った方が得策そうだ。 意地悪をする時の顔といったらまるで子供みたいで可愛いのだが、意地悪自体はまったく可愛くない。 寧ろ相川が泣きそうな顔をするのを楽しんでいる。 「……いた、だき、ます」 いつか教えられた言葉を吐き、そろそろと舌を伸ばすと古志は満足そうに微笑んだ。

ともだちにシェアしよう!