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第78話

長距離を走ったかの様に上手く息が出来ない。 いき…しなきゃ…… どう、やって…するんだっけ…… それに、腰が痛い。 自分が痛いという事は、古志も畳に着いてる膝も腰も痛いんじゃないか。 さ迷わせていた手を脚に伸ばそうとすると頭上から息を詰めた音がした。 「…ちょっと我慢してください」 「ぅ゙、……ん゙」 畳んで端に置いていた洗濯物のバスタオルを背中に差し込まれ尻が浮いた格好にすると、腰をトントンと叩いた。 位置が変わり内臓が圧迫されるが、古志は負担を負担だと言わないだろう。 気にせず言ってくれたら良いのに。 「体位が合わないだけですから。 光輝さんも辛そうだし。 それと、声、我慢出来なかったらタオル噛んで。 苦しいでしょ。 やめてやれないから、せめてそうして」 「ハァ…ハァ…っ、…ハァ…」 腰が畳に擦れて痛んだのが分かったかの様なタイミングだ。 この子が頭が良い理由はこういう所だ。 目が良いんだろう。 視野が広い。 だから頭に焼き付くのも早いんだ。 「お返事は?」 「ぁ、はい…」 「続き、しますよ」 なんて、甘い顔をするんだろう。 溶けてしまう。

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