83 / 83
第83話
タオル類を畳終わり、今度は崩れてしまわないように早々にケースへと片付ける。
そんな相川はお構い無しに、どんぐりは滑車遊びに夢中だ。
どんぐりも古志も自由で伸びのびしていて、そういうところが好きだ。
そんなことを考えていると、両手にグラスを持った古志が室内へと入ってきた。
「はい、麦茶。
羊羹も持ってきますね」
「すみません…」
「俺が原因だし謝んないでください。
俺こそ、ごめんね。
大丈夫ですか?」
「はい。
大丈夫ですよ」
夏休み期間中で本当に良かった。
明日は準備室に閉じ籠れば良いんだから。
若干痛む腰を誤魔化しながらグラスを受け取る。
直ぐ様、羊羹を手にした古志が戻ってきたので座布団代わりのクッションを進めた
「俺は大丈夫ですから、光輝さんが使ってください。
腰、明日に響きますよ」
「……そ、れは、」
「いただきまーす」
パクッと美味しそうに甘味を頬張る姿を見ながら、自分も同じものに手を伸ばした。
「いただきます」
「久しぶりに食うと、すごい美味いです」
「良かったです。
明日も食べてくださいね」
自然と口から出た“明日”という言葉に相川は気付いていない。
ともだちにシェアしよう!