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sideアキ: 梅ちゃん先生と櫻さん 1
「あ、ハルたち帰ってきた!!
おーい、ハルー!梅ちゃん先生ー!
おーかーえーりーなーさーい!」
「「………梅ちゃん先生?」」
寮の玄関口でイロハがブンブン手を振ってる。
「………おい小鳥遊。
丸雛の言う梅ちゃん先生は、俺か…?」
「お、恐らくそうかと……」
「はぁぁぁ…ったく、初日にこれかよ……」とガリガリ頭を掻いた。
(あはは……ご愁傷さまです)
「ただいまイロハっ。待っててくれて有難う」
「ふふふ。んーん、待ってたのはおれだけじゃないよ? ほら、梅ちゃん先生も早く寮に入って入って!」
えへへへーと楽しそうに手を引いてくれる。
……?
(どうしたんだろう)
ロビーにいはカズマと佐古と櫻さんが居た。
「お帰りなさい、小鳥遊くん、梅ちゃん先生」
「た、ただいま櫻さんっ」
「っ、櫻てめぇ……」
(櫻さんまで梅ちゃん先生って…)
楽しそうにクスクス笑いながら梅谷先生をからかってる。
「ふっ、ふふふふ……っ」
「…イロハ……?」
そのやりとりをニヤニヤ笑って見てるイロハと、それを呆れたように見るカズマたち。
櫻さんもとても楽しそうで、梅谷先生はじとぉ…っと4人を見つめていた。
(な、何だ……?)
この異様な空気は、一体何……?
「はぁぁ、ったく… おい佐古、てめぇだろうが」
この空気の中、噛みつくように梅谷先生が佐古を睨んだ。
「もーそんなに佐古くん怒んないで、梅ちゃん先生!」
「っ、おい丸雛!てめぇ梅ちゃん先生って何だその呼び方は!」
「えー可愛いと思うけどなぁおれは。ねーカズマ?」
「はぁー…イロハ、その辺にしとけ」
そのやりとりを、櫻さんがクスクスと笑って眺めている。
(え、何か俺だけ置いてかれてる……?)
なになに、何がどうなってるんだ?
「あ、ハルの頭に〝?〟がいっぱい浮かんでる、可愛い!
あのねあのね、実は梅ちゃん先生と櫻さんはねーー」
ゴツッ!
「いったーーーーい!!」
イロハの頭に、梅谷先生のゲンコツが落ちた。
「こらっ、暴力はいけませんよ? 梅ちゃん先生?」
めっ!とすかさず櫻さんが注意する。
「っ、櫻てめぇ……っ」
「ふふふ、可愛いじゃありませんか〝梅ちゃん先生〟なんて。 いつも生徒と距離を置いている貴方にそんな呼び名がついて、私は嬉しいですよ?」
「あぁん!? いいんだよ俺はこのスタンスで。梅ちゃん先生なんざごめんだ。ったく…」
「クスクスッ、まぁそう怒らないで……」
(………あれ?)
「いたーい!」というイロハの頭を撫でてあげながら、櫻さんと梅谷先生のやりとりに何やら違和感を感じる。
2人の表情というか、声色というか……
(何だ……? 2人は、どんな関係なんだろう?)
「ーーっと、ふふふふ、小鳥遊くんが不思議そうに見ていますよ? 梅ちゃん先生?」
「いい加減その呼び方やめろ櫻。 ったく…
……まぁ、こいつらなら百歩譲って勘弁してやる……」
はぁぁぁ…とため息を吐きながら、先生はロビーにあるソファーにボスッと沈んだ。
「おら、佐古。教えてやれ」
「あー……
こいつら、恋人同士だから」
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