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「わ~君が噂の小鳥遊君か~!! 初めて近くで見たけど、本当綺麗な顔してるねぇ~~~!」
「有難うございますっ」
「…うん、可愛い……」
「ぁ、有難う…ございます……?」
(可愛いっていい事なのか?)
淹れたてのいい匂いの紅茶と茶菓子と、和やかな会話。
ほわほわ~っとしたゆったりしてる雰囲気。
「あのね、俺が会計だよ~!」
「私が副会長です」
「…おれ、書記……」
「は、初めましてっ。秘書に就任させていただきました。これからよろしくお願いします!」
みんなが役職だから、何となく役職で挨拶する。
「小鳥遊君は、確か体育の時間帯に生徒会の業務を行うんですよね?」
「はい、そうです」
「そうなんだ~!じゃぁ今日の練習とかも参加しなくていーの?ずるい~~~!!」
「……それ、違う。参加しないじゃなくて、できない…」
「あ、そっかっ!そうだね、ごめんね!!」
「ふふふ。いいえ、大丈夫ですよっ」
「現在の外の温度何度か知ってます?凄い気温なんですよ」
「わ、そうなんですか…? みんな大丈夫かな……」
「もぉね、遠くが揺れて見えるの!陽炎だっけ?がね~見えるんだよ~~!!」
「…ほんと、暑すぎ……」
「そうだったんですね…お疲れ様です……」
(あれ、何か馴染んでる俺……?)
和やかにテンポよく進む会話。
違和感ゼロで普通に話してる。
今まで仕事しに来なかった人たちなのに……
(この人たちが、本当にサボリ魔?)
全然、そうは見えないけど……
「クスッ、小鳥遊君どうされました?」
「ぁ、いえ…何だか、生徒会室でこんなに和やかな会話をしてることが、不思議になってしまってて……」
「あぁ~そうだよねぇ~~。小鳥遊君はいっつもかいちょーと業務してるの?」
「そうですね。最近は1人でしていますが、前は会長サ…会長と一緒にしてました」
(あっぶね、いつものクセで〝サマ〟って付けるとこだった)
「…かいちょーと、2人。凄い……」
「へ?」
(凄いの?)
「うん、本当凄いよ~!あのかいちょーと2人なんて、俺なら死んじゃう~~!」
「ぇ、死ぬんですか…?」
そう。こう、グハァッ!ってね、死ぬの。
えぇぇ…それはどういう……?
…たかなしく、真面目。受け流して、いーよ……。
はっ!
「クスクスクスッ、全く…コントですか?」
「い、いぃえっ、そんなつもりじゃ……」
「ふふっ。でも、本当に小鳥遊君は羨ましいです。
ーーだって、会長に認められているんですから」
(え?)
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