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「そうだねぇ~……小鳥遊君が羨ましいや」
「…俺も……」
「……どうして、ですか…?」
「クスッ、だって会長と一緒に業務が出来てるじゃないですか。私達のことは、もう会長から聞いたのでしょう?」
「業務に関して言われたことでしょうか?」
「そ~~。かいちょーに〝お前らがやるより俺が1人でした方が効率いい〟って言われたやつ~」
(確かにそれは聞いた…けど……)
「…俺たち、かいちょーから、いらないって言われた…。だから、仕事してない…」
「だって俺たちがするよりずっと効率良いって言われちゃったらさぁ~、モチベ無くなるよねぇ~~~」
「まぁ、それに彼は〝龍ヶ崎〟ですからね。私たちは到底足元にも及びませんよ」
「あぁ~そっか。…そういえば君も〝小鳥遊〟だよね~。それじゃぁ敵わないのは当たり前かぁ~~~」
「…ん。しょうがない……」
「………なんで」
「?」
「なんで、しょうがないんですか?」
「え?だって君は小鳥遊だしかいちょーは龍ヶ崎でしょ~? 脳みその作り方から違うよ~~」
「脳みその、作り方……?」
「そうだよ!もともとスタートから抜かれてるんだもん~。こんな事になるのは当たり前だし、まぁしょうがないよねぇ~~~」
(ーー嗚呼、そうか)
あの事件以来、生徒会室で1人で業務をしてた時に感じてた…あの得体の知れないモヤモヤ。
何でか知らないけど出てくるため息。
それは、 ーーコレが原因だったんだ。
コロンと自分の中に答えが見つかって、改めて目の前の3人を見つめる。
「貴方達は、何を逃げてるんですか?」
「……へ、逃げてる?」
「はい。貴方達は、何からそんなに逃げてるのですか? 小鳥遊? 龍ヶ崎? それとも会長?」
「ちょっ、ちょっと待ってちょっと待ってストーップ!俺たち別に逃げてないよ~!?」
「…今回の件は、かいちょーが仕事しやすいよう、身を引いただけ……」
〝仕事しやすいよう身を引いただけ〟…だと……??
「貴方たちは、根性なしですか?」
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