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sideアキ: ぇ、おはよう…ございます……? 1

「んぅ………?」 薄く目を開けてボーッと辺りを見渡すと、カーテンの隙間から朝日が漏れていた。 (あさ……?) ここは、どこだろう。 自分のベッドじゃない。 それに、何か暖かいものに包まれていて…… もう少しこうしていたいと思わずそれに擦り寄る。 途端、フワリとさっきよりも抱きしめられる体。 暖かくて暖かくて、ついついまどろんでしまってーー (………え、……?) ちょっと待って、え? バッ!と意識が覚醒して、隣の暖かな存在を確認して 「っ!!」 叫びそうになるのを、何とか両手で押さえて止める。 目の前いっぱいに、整った綺麗な顔があった。 その顔は、スースーと穏やかな寝息をたてていて。 (かい、ちょ……?) え、待って。何でこうなってんだ。 何で俺、会長と同じベッドで寝てんの? 何で…俺、 ーー会長に抱きしめられてんだ……? (っ、と、取り敢えず、こっから出なきゃ……) 会長…まだ起きてないよな? あぁそうだった、こいつ寝起き悪いんだった。 体育大会の日凄かったんだった、そうだったそうだった。 ゆっくりと腕から脱出して、ベッドから抜け出す。 (会長は…寝てんな……よし) そのまま窓に近づいて、カーテンの隙間から外を覗いた。 (うわぁ……すげぇいい天気) 昨日のゲリラ豪雨のような雨は何処へ行ったのか。 今日は雲ひとつない青空。 夏の天気が変わりやすいって、こういう事だよなぁ。 雷ももう鳴ってない、よかったぁ…… (いま何時だ…? って、朝の5時) ここはどこだろう? 俺の部屋じゃないし、外の景色が違うから寮でもない。 忍び足でソロソロとドアノブに手を掛け、カチャリとゆっくり開いて部屋の外へ出た。 ポソッ 「〝仮眠室〟……」 そうか、生徒会室だったのかここ。 そう言えば、俺制服のまんまだ。 (確か昨日凄い雨で、雷が鳴って停電して……) それから、どうしたんだっけ? (そう。会長に雷が怖いってのがバレて、抱きしめられて…それからーー) 「っ!」 〝キス〟、したんだ。 「うそ…だろ……っ」 いや待て待て待て待て。 あれは不可抗力だよなっ、そうだ! (俺も雷怖かったし、しょうがない! うんうん!) でも、いくら考えてもあの時の唇の感触が、口内をかき回された感触が…よみがえってきてしまって…… 「ーーっ」 (駄目だ) と、取り敢えずシャワー浴びよ…確かシャワールームあったよなここ…… 俺は、逃げるようにシャワールームへ駆け込んだ。

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