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〝小鳥遊様が、倒れた〟
学園中を突如駆け巡ったニュースに、僕は歓喜した。
(ハル様っ、もしかして僕の所為で……!?)
行かなきゃ。
迎えに、行かなきゃ……ハル様の元へ。
僕の所為で倒れたのなら、早く早く迎えに行って。
そして、ハル様をこの世界から連れ出してあげなきゃ。
はぁっはぁっと小走りで廊下を走っていく。
歓喜で、胸が高鳴りすぎて。
全身が熱くて熱くて、もうどうしようもない。
(ハル様……っ! 僕が…僕が……迎えに…っ!)
保健室へ着いて、扉に手をかけて
ーーその手が、ピタリと止まった。
『ー、ーーーー』
『ーー? ぁーーーーー』
『ーーーー?』
中から、話し声が3人。
(嗚呼……この、声は………)
野良犬の番犬と、腐った親衛隊の隊長と、生徒会長様様だ。
なんで、こいつらはこんなにも僕の邪魔をするの……?
僕の方がずぅっとずっと、より深くハル様の事を愛しているのに。
(そこを退く気は……無いみたいだな)
嗚呼、全く
ハル様と、同じ空間にいやがって……
その事実が、ただただ憎い。
気づかれないようにそっと場所を移動し、保健室の窓が覗ける位置へ行く。
そっと中を伺うと、青白い顔でスースー寝息を立てているハル様がいた。
(あぁ……寝顔…可愛い……っ!)
見ただけで全身が熱くなって、今にもアソコが立ち上がりそう。
そんなハル様に、話が終わったのか生徒会長が1人近づいてきた。
至近距離から眺めて、ハル様の目が開いた途端とろけるような笑顔を向けるそいつに、
(ーー憎い)
ただただ憎さしかなくて。
ねぇハル様、どうしてそんな奴に手を伸ばすの?
そんな奴に抱きしめてもらいたいの?
僕の方がずぅっとハル様の事大切に思っているのに。
(嗚呼、 憎い)
憎すぎて憎すぎて、どうにかなりそうで
僕は、狂ったように写真を撮りまくった。
そして、次の日ハル様に贈る手紙の中には
憎たらしい生徒会長の顔だけを全部黒のマジックで塗りつぶした写真を、何十枚も入れたーー
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