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ーー〝早めが肝心〟だと、思った。 守りが一気に固くなってしまった、ハル様の周り。 文化祭当日には、その守りがもっと強いものになるだろうと考えていた。 会長とハル様が一緒に回り始めたら、もう僕が入り込む隙は無くなると思う…… だったら、それより前…文化祭が始まってすぐの段階で接触した方が上手くいくはずだ。 (あぁくそっ…舐めるなよ……) ーー僕は、本気なんだ。 早く、早く早く、このゴミみたいな世界からハル様を助けてだして。 僕だけの空間に、閉じ込めてあげなきゃ…… (ぇ、嘘……!) じっと見張ってた1年A組からハル様がクラスの子と隠れるように出てきた時は 本当、奇跡なんじゃないかと思った。 (ハル様…嗚呼っ、やっぱりハル様も僕に助けられる事を望んでる……っ!!) この守りが固い状況から、自ら逃げ出してくださるなんて……! この好機を、決して無駄にはしない。 そっと後をついて行き、ハル様が1人になった瞬間へ声をかけ、クラスの子を戻らせて何とか2人きりになる事ができた。 (ハル様が気分悪いのも好都合だ……僕、何でこんなにツイてるんだろうっ) 保健委員、やっといて良かった。 これ程までにトントン拍子で行くなんて、ハル様と僕は運命で結ばれてるのかな……? それを考えただけでビクンッと体が震え、奥底からじんわりと熱を持ち始める。 (っ、今はまだ早いから、隠して……っ) ハル様の隣を歩いているという事実だけでも天に昇りそうなくらいなのに、運命で結ばれてるなんて…もう、考えただけで耐えられなくなっちゃう…… 用意してた救護室のドアを開けハル様を中央の椅子に座らせて、自分は匂いを嗅がないように遠くへ行った。 だんだんと眠くなっていかれるハル様は、凄く凄く可愛らしくて ついつい話しかけに行ってしまう。 「ぁ………、ゃ…………」 ハル様の目が、何かに気づいたように大きく見開かれた。 でも、襲ってくる眠気には耐えられず、その目がすぐに緩く閉じられてしまった。 (あぁほんと、なんって可愛らしいんだ!!) 完全に寝落ちてしまったハル様は、まるで糸の切れた人形のようにとても綺麗で…… 「ーーさぁ、ハル様。まいりましょうねっ」 僕たちだけの世界へ、お連れいたします。

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