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sideアキ: 優しい手 1 ※
体が、熱くて熱くて
思考が、ぼーっとして
でも、そんな中、待ち望んでいた声に「ハル」と呼ばれたような気がした。
「レ…ヤ……」
(レイヤ…いる、の?)
怠くて体が動かず、確認することができないもどかしさにまた涙が出てくる。
「レ…イヤ………っ」
(レイヤ、何処…何処にいるの? レイヤ……っ)
「ーーハル」
「ぁ………レ…イ……」
(レイヤの、声だぁ…っ)
顔のすぐ近くで、力強く名前を呼ばれた。
手を伸ばしたいけど…力が入らなくて。
そんな俺を、レイヤはきつく抱きしめてくれた。
「ーーっ、ぅ……」
ビクリッと体が震えるが、でもそれ以上に凄く安心してしまう。
(あったかい………)
「ハル、もう大丈夫だからな。安心しろ」
(っ、嗚呼)
大好きな体温、大好きな人、大好きな声。
もう、涙が止まらなかった。
そのままふわりと持ち上げられる感覚がする。
「ハル、移動するからちょっと待ってろ」
(あぁ……終わったんだ………)
やっと…やっと、終わったのか。
安心して目を閉じて、レイヤに体を預けた。
ベッドに寝かされて、俺の体に付いてるモノをレイヤが拭き取ろうとしてくれて。
そのタオルの感覚にビクリと震えてしまう。
「ぁ、ゃめて……っ」
触れられた部分から熱が生まれて、その感覚が体を駆け巡ってしまって、どうしようもなく息が上がってきて…
「……ハル、体が熱いのか?」
「ん、ぁつぃ…」
熱くて熱くてたまらない。
でも、どうすればいいのかも分からない。
分からなくて、辛い。
そして、それ以上にーー
「レ、ヤ……こわぃ…っ」
「自分の体が熱いのが、怖いのか?」
「……ん」
自分の体が自分でわからなくて、怖い。
(おれ、どうしちゃったの……?)
もうここは変質者の部屋じゃないのに、どうしてまだこんななの?
俺の体、変? 壊れた?
どうやったら治る?
(レ、イヤ……っ)
濡れた目で見つめると、その顔が悔しそうに歪んだ。
「…っ、そうか、わかった。
どうにかしてやるから、まずは体拭かせろ」
丁寧に体を拭かれて、綺麗になった体を優しく抱きしめられた。
「ハル、キスしていいか?」
「…ん、して……っ」
ふわりと温かいものに唇を軽く塞がれる。
「キスは、された?」
「さ、れてない」
「そうか、良かった」
チュッ チュッと軽いものからだんだん長いものへと変わっていき。
「ん…んぅ……、んぁっ」
そのまま、長い指で胸をキュッと掴まれる。
「ここは結構触られたみてぇだな…腫れてる。怖かったな」
労わるように頭を撫でられながら、レイヤの顔が唇から下に降りていく。
「ぁあっ! ぁ、レ、ヤぁ…っ」
口の中に乳首を含まれ、舌で優しく転がされて。
「ふぁ…ぁ……ぁ、ぁあ」
ビクビクと体が跳ねてしまう。
「気持ち悪いか? ハル」
「ぁ……っ、もちぃ…、きもち、いぃっ」
「ククッ、そうか」
安心したようにニヤリと笑われて、またレイヤの顔が戻っていった。
(すご、さっきと…全然、ちがう……)
あいつに触られた時はあんなに気持ち悪かったのに、レイヤにされるのは全然嫌じゃない。
「はぁ…ぁ、ぁあ……っ、レ、イヤ……んっ」
体の中にずっと溜まってた熱いものが、また一気に身体中を駆け巡り出した。
「レイ、レイ、ヤ……んっ、ふ、
ーーっぁあ!」
いきなり強い感覚が襲ってきてビクリと体が跳ねる。
「ハル、ココは? イッたか?」
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