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【準備編】side「  」: 出発の時

【準備編】 初めて着るのに、既に生地が柔らかくなってる着やすい制服を、身に纏う。 「…………」 鏡を見ながらネクタイを締め、ブレザーを整えて準備を終えた。 ーーカサッ 「……?」 ポケットから何かが擦れる音がする。 手を入れると、そこから出てきたのは1枚の紙切れ。 乱雑に四つ折りされたそれを広げると、そこには急いでいたのか走り書きのような文字が一文だけ添えられていた。 〝幸せになって〟 「…………」 その紙を丁寧に折りたたみ、再びポケットに入れる。 コンコンッ 『準備はよろしいでしょうか? お車がお待ちです』 「はい。行きます」 ガチャッと扉を開け、玄関に向かった。 そこには、既に多くのメイドや召使が見送りをする為に並んでいて。 「それじゃぁ、行ってきます、みなさん」 「はい。行ってらっしゃいませ、 ーーーー「ハル」様」 バタンと、車のドアが閉まった。

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