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エピローグ

「あー、あー、よしっ」 完璧に声が治った月曜日の朝。 体ももう痛くないし、大丈夫だ! 土日一歩も部屋から出ずにゆっくりしてたから、それが良かったのかも。 あーまた今日から学校かぁ……楽しみだけど少し残念。 もうちょっとカズマとくっついてたかったな。 コンコンッ 『イロハ、準備できたか?』 「ぁ、うん!」 ガチャリとドアを開けると、そこには大好きな人。 「治って良かったな、声」 「本当それ!治らなかったら絶対ハルとアキにからかわれちゃうよ……」 「クスッ、治らなくてもからかわれるんじゃないか?」 「え?」 「多分態度で分かると思うけどな。俺は良いけど」 「へ、」 態度で…分かる? あ、でも会長とアキも何となくエッチしたんだなぁって思う瞬間があったかも…… みんなそんなものなのかな? でも、うん。おれもいいや。 どのみち2人には報告しなきゃいけないし。 ちゃんと出来ましたって言わなくちゃ。 あ、それともうひとつ。 玄関へ向かう背中に、思いっきり抱きつく。 「カーズマ!」 「ぅおっ、どうしたイロハ?」 「次はゴム無しでしよっ?」 次は、直接カズマを感じたい。 カズマの熱をおれが受け止めたい。 もっともっと…溶け合いたい…… 「ーーっ、たく……それはもう少し慣れてからな」 「えー!?」 「えーじゃない。ほら、行くぞ」 「ぁ、待って」 バタバタ靴を履いて、扉を開ける。 今、こうして過ごせてる日々は幸せなんだなって思えて。 そんな中、好きな人と気持ちが通じ合えたのはどんなに素晴らしいことなんだろうって…本当奇跡に近いくらいのことで。 (願わくば) こんな幸せな日々が、毎日毎日 ずっと長く続きますようにって。 そんなことを考えながら カズマと手を繋いで、今日も一歩を踏み出したーー 「おはよーハル!アキ!」 -ハルとアキ- 中編(イロハ編) 〈抱擁力 × 元気〉 カズマ × イロハ 〜fin〜

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