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sideイロハ: 報告、それと……

「ーーーーって感じでね、終わったよ!」 「「わぁ……良かったね!!」」 「うん!」 学校帰り、カズマ抜きでハルたちの部屋にお邪魔してお茶しながら報告会。 「じゃあ、何回シたかも覚えてないってこと?」 「そうなんだよね、もう全然…気がついたら昼だった」 「わかる、朝じゃなくて昼だったあたり凄い分かる。何なんだろうなあれ…本当タイムスリップしたんじゃないかって……」 「やっぱりアキも経験ある!?」 「あるある!しかも身体痛ぇし動けねぇしで……」 (わぁ、会長も結構ヤっちゃってるんだなぁ) ため息吐くアキに、ハルと目配せしながらクスクス笑う。 「ーーでも」 「? でも?」「何アキ?」 「……幸せ、なんだよなぁ………」 「!!」 ポヤーっとした表情でほっこり呟かれる…けど、それ、その気持ち! 「すっごい分かる!!幸せ溢れるよね!なんだろうこう…満身創痍なんだけど満たされてる感半端ない的な……」 「そう!起きた時の幸福感がやばすぎてさ、しかもその時隣にレイヤがいてくれたらもうそれだけで嬉しくて」 「わーかーりーすーぎーるー!!!」 思わずぎゅうっとアキと抱きしめ合う。 やっぱさ!この気持ちは一緒なのかな!? キラキラしながら話すおれたちに、見守ってたハルが微笑んだ。 「イロハ本当に良かったねぇ、カズマと上手くいって。 アキにもレイヤがいるし…僕もう何も心配いらないや」 「え、何言ってるの?」「何言ってんだよハル」 「へっ?」 「「次は、ハルの番でしょ?」」 「ぇ、ぁ、へ…僕……?」 びっくりしてるハルに、2人で詰め寄った。 「そうだよ!ハルも幸せになってもらわなきゃ嫌だからねっ」 「いや、僕はいいや…今こうしてアキやみんなと一緒に学校に行けてるだけ充分幸せというか……」 「甘いハル!!確かに俺もハルと一緒に過ごせて幸せなんだけど…でも、俺はもっともっと幸せを知ってほしいよ? ハルには……心から安心して、笑って欲しいんだ」 「っ、」 (………?) アキの言葉に、一瞬クシャリと顔が歪んだような気がした。 でも、次の瞬間にはもうそれは何処かへ引っ込んでしまって。 「ん〜そうだなぁ……それじゃ、僕に見合う人を探さなきゃねっ!」 「うぅ!ハルに見合う人かぁ…ハードル高そうだよ……」 「クスクスッ、僕は手厳しいからね。ねーイロハ!」 「わぁっ!」 ぎゅぅっと抱きつかれて慌てて受け止めて。 「ーーっ、」 そのハルの後ろで、悲しそうな顔をしてハルの背中を見つめるアキの顔を見た。 (アキ……?) ハルの顔も見ようとするけど、抱きしめられてて見ることができない。 ハルも…今アキと同じような顔をしてるのだろうかーー 「…………っ」 おれには、よくわからないけど。 でも少しでもハルやアキのその顔が晴れればいいなって、ハルの背中に腕を回した。 何かに怯えてる? それとも、怖がってる…? 何となくそんな感じ……ハルもいつか自分のことを話してくれるといいなぁ。 まぁ、まだ知り合って間もないしこれからだね。 おれは変わらずに2人と一緒にいよう。 だって大好きで大切な友だちだから。 カズマも、そう言ってくれるだろうな。 帰ったらアキと意気投合した話とかしようかなと、思考を巡らせながら 今は、ハルのあったかい腕の中で目をつぶったーー

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