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Merry Christmas. 1

【side レイヤ】 12月24日 今日はクリスマスイブだな。 ついこの前あいつらの誕生日だった気がする…月日過ぎんの早過ぎだろ…… くわぁっと背伸びして時計を見ると、まだ朝の早い時間。 「ってか、プレゼントどうするかな」 アキの分はもう用意してある。 恋人だし婚約者だし、渡したいものだらけだ。 問題は〝双子〟の部分。 アキだけにやるのは心許ねぇし多分あいつも遠慮して受け取り辛ぇだろうから、双子としてもあいつらに何かしら渡してぇんだが…… この前の誕生日、あいつらはいろんな奴から嫌という程プレゼントを貰ってた。 お揃いの物が多く貰ったものが結構かぶっていたりして、でも凄く嬉しそうに笑い合ってて。 (またお揃いってのも面白くねぇし、他の奴と被るなんざ論外。俺のプライドが許せねぇ) だが、それなら何を渡す? あいつらは何を貰っていない……? 「はぁぁ……まじでわかんねぇ」 昨日も、堂々巡りのまま眠ってしまった。 結局もうクリスマスイブ。 明日25日に渡すから、今日中に何か準備しとかないともう間に合わない。 どうする……月森にでも相談すっか? でもこんなこと話したら笑われそうだ…親父やお袋も同類。 なら自分で考えっか? だがなぁ…… (ま、取り敢えず動くか) 今日はあいつらは先に丸雛たちとクリスマスパーティーするらしいから、会うのは夜頃になる予定。 それまでに何とかしたいところだがーー 「…………ん?」 ベッドサイドの床が、少しだけキラリと光っている。 (何だ…何か落としたか……?) 「は?」 光ってる場所に足を持っていくと、何故か吸い込まれる感覚。 「待っ、なんだこれは……!?」 バッと足を離した瞬間、凄まじいくらいの勢いで床が空気を飲み込み始めた。 (は? ちょ、待て待て待て) 何が起こってんだ? まだ寝ぼけてんのか?? 「っ! くそが……っ」 必死にもがくが全く叶わず、片足がズブリと床に沈む。 そのままもう片方の足も吸い込まれてしまい、胴体までもズブズブと光る床の中へ消えていき……遂に顔まで迫ってきて。 「ーーっ!!」 そうして、現実じゃ考えられねぇ魔法みたいな床に、体ごとすっぽりと喰われた。

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