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「あー楽しかったーー!!」
空は暗くて、もう星が浮かんでいる。
「1日満喫できたな」
「うんっ!」
トラブルはあったものの、かなり充実した時間だった。
初めてのことがいっぱいで…たくさんたくさんいろんなことを経験して……
ハルたちのお土産も買えたし。
相談にのってもらったし、そのお礼。喜んでくれるかな?
渡すのが楽しみすぎて早く会いたい。
俺たちも、大半はウィンドウショッピングだったけど少し買い物した。
お互い相手に似合いそうな服を買い合って、交換。
それ着て出かけるのがまた楽しみだな。
ーーってか、
「なぁ、レイヤ」
「ん?」
「俺にも護身術教えてほしい」
小鳥遊では教わらなかったそれ。
今はあの学園だからいいかもしれないけど、これから先なにがあるかわからない。
今日、大事さを身をもって実感したし……
なにより、何かあった時ハルを守れるかも。
ハルが無理な分、俺が強くなっていざという時に備えとかないと。
「そうだな……まぁ確かに知っといて損は無いな」
「うん、だから」
「だが、それは俺じゃなく月森に言った方がいいぞ」
「ーーぇ?」
先輩? なんで??
「俺は一通り習うだけ習って辞めた。だから多少は使えるが所詮その程度だ。
あいつは家が〝月森〟だからな。護身術以上の事が出来ないといけないのは必須だ」
「ぁ……」
主人に付き従い守る存在。
それが〝付守〟であり、今の〝月森〟。
そっか、じゃあ先輩もめちゃくちゃ強いのかな。
もしかしてレイヤ以上? レイヤよりも細くて、いつも綺麗に笑ってるのに……
ってことは、父さんの月森さんも龍ヶ崎の月森さんも、カズマのとこもイロハのとこも……みんなみんな強いの?
「俺のこれは、うちの月森に稽古付けてもらったからな。教わるなら月森がいい。並より強いのが当たり前だし筋の通った教え方してくれるぞ」
「そう…なんだ……」
月森先輩に、武道。
え、やっぱ全然想像付かないんだけど。
あの優しい先輩だぞ? 本当に?? まじか……
こ…今度話しに行ってみよう………
「ぁ、来た」
「ん」
話していると、朝送ってくれた車がカチカチと光で合図しながら近づいてきた。
あー終わっちゃうのか……
なんだか…ちょっぴり残念。
ポンッ
「アキ」
「?」
「また来ような」
「ーーっ、うん!!」
次は、何をしようか。
次は、何処へ行こうか。
そんなことを考えつつ、頭に乗った手にクシャリと髪をかき混ぜられて。
くすぐったさに笑いながら、車へ乗り込んだーー
fin.
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