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寝てる後ろで……編 4 猫は交尾に甘く悦んだ。

「たまんないだろ……」 「ぁっ……ン、久瀬さっ」  大胆に脚を開いたそこで二本の長い指がちゅくちゅくやらしく濡れた音を立てる。  優しくて綺麗であったかい言葉を繋げて恋の物語を作り出す魔法の指が、俺の中をほぐして柔らかくして、中にある前立腺を可愛がってくれる。 「あぁぁぁっ」  射精したばかりのペニスは気持ち良さそうに泣きじゃくって、鈴口のところからは内側から押し出されて溢れた透明な先走りがとろりとまた滴り落ちた。 「イケメンで、女がいくらでも引っ掛かりそうな、若くて、良い身体した男がさ」 「あっ……やぁっン」  指がくぱぁって孔を広げる。 「女の子みたいに甘い声で啼いて、挿れて欲しそうに、ここ」  指が抜かれたら、急にそこが切なくなる。 「あっ……はぁ、っ」 「ヒクつかせてるなんて」 「久瀬、さんっも、早く」 「たまらないと思わないか?」 「あっ、ぁっ」  ぐっと押し付けられて、濡れた孔が嬉しそうに久瀬さんの。 「あっ、ぁ……あぁぁぁぁあっ」 「っ」  大きいペニスを飲み込んでいく。 「あ、ぁっ、久瀬さんの、大きい」 「クロ」  また射精した。自分の腹の上にまたこんなに飛び散らせて、イけるんだ。 「俺……たまんない?」  貴方の黒猫はたくさん可愛がられたから、気持ちイイことをたくさん覚えてしまった。雄の黒猫なのに、交尾してってねだってお尻を突き出して誘惑する。雌じゃないのに、ペニスで貫かれただけでイけるし、中で、気持ち良くなれるように躾されてる。でも、これは全部。 「ねぇ、俺……ちゃんと、っ……ン、ぁ、あんたから見て、こんなでも可愛いの?」  全部、久瀬さんだからだよ。久瀬さんだけでいいし、久瀬さんにだけ、可愛いって、思われたい。 「こんな……の」  脚をはしたなく開いて、ペニスを突き立てられたお尻のところをきゅんきゅんさせながら、しっかり割れた腹筋を射精した白で濡らして。ちゃんと筋肉のついた胸のとこまで飛ばしたりして。硬いばかりの身体をくねらせる俺は、久瀬さんから見てちゃんと。 「わかってねぇの?」 「?」 「複雑なとこだよな」 「久瀬さ、ぁっ! ……やぁっ! あっ、あっ」  急に激しく突き上げられて、快感が身体を駆け抜ける。 「自覚してもらいたいような、自覚、してもらいたくないような」 「あ、あぁあっ、久瀬、さんっ……そこ、ンっ、ぁ、気持ちイイ」  知ってるって笑って、もっと強くしてくれる。 「だから、突いてる」  耳元で乱れた吐息混じりにそんなふうに囁かれたら、ゾクゾクってした。もっとめちゃくちゃにして欲しくて、おかしくなりそう。 「久瀬、さ……ンっ」  もっとして。 「あぁっ……ン、そこ、イっちゃうっ」  奥にグンと熱いペニスの先を押し付けられて、身体が仰け反るくらいに気持ちイイ。 「そこっ……ン、好き」  きっとあの綺麗な指すら届かない奥のとこ。生々しくて、肉っぽくて、熱く狭苦しいとこ。 「あ、あ、あぁぁぁぁっ!」  そこを久瀬さんのペニスだけが強引に抉じ開けて貫くのがたまらなく気持ちイイ。 「ふっ……ン……ん、ぁっ」 「中イキ上手になったな」 「ん、ぁっ……」 「絡み付いてくる」 「んン、久瀬さん……気持ちイイよ」  奥まで久瀬さんでいっぱいにしてよ。 「あっンっんくっ……んん」  ずちゅぐちゅ、いやらしい音を繋がった場所でさせながら、キスするのも好き。脚をこんなに広げて、奥まで、太くて大きい久瀬さんのを根元まで全部、俺にちょうだい。 「ぁ、ン、久瀬さん、もっと、して」 「あぁ」  俺の、だ。 「俺の、クロ」  そうだよ。俺は久瀬さんだけの黒猫なんだ。 「クロ?」  ね? そうやすやすとじゃないけど、でも、体勢を自分で入れ替えて、貴方の上に乗ることもできる。 「あっ、はぁっ……ン」  貴方の黒猫は力だってある雄の猫。 「見てて、久瀬さん、ぁ、あぁっ……ン」  でも、主である貴方の前だけ雌みたいに悦がって啼くんだ。 「あ、ン、久瀬さんっ、久瀬、さんっ……ぁ、あっ」  跨って、自分から腰振って、ペニスに気持ち良さそうに喘ぐ、かまって欲しいと啼く我儘な猫。 「あっ、あっ、ん、ダメ、乳首、されたら、イっちゃう」 「イけよ」 「あ、あぁっ」  きゅんと乳首を抓られて、内側が切なげに久瀬さんのペニスにしゃぶりついた。爪で弾かれて、少し痛いくらいに摘まれたら、たまらなくて腰が止まらない。自分から中を擦って、自分から。 「ン、あっ、ン、前立腺、んんん」  前立腺も、好きなとこも、全部を。 「ぁ、ぁ、あっ」 「手使わず、尻だけで、イけるだろ」 「あ、あっ」 「腰振って、クロ」  イけるよ。だって、俺、あんたとする交尾が。 「あ、あ、あぁっ、あっン、ぁ、あああああああああ」  たまらなく気持ちイイから。雌猫みたいに甘く啼けるんだ。 「あっ……ン、久瀬さんの」  中ですごいドクドク脈打ってる。 「ン……お腹、熱い……ン、ぁっ!」  身体を丸めて、繋がった場所を覗き込もうとして慌てた。俺が吐き出したのが久瀬さんの胸の辺りまで飛んでて、黒髪にくっついてた。しかも、その腹のところには今必死に腰を振りたくった俺がしがみついた爪痕がミミズ腫れみたいに赤くなって残ってる。汚した、痛くした、って慌てて腰を浮かせようとしたところで、その腰を鷲掴みにされて、根元までずぷって深く突き入れられた。 「はぁぁっ、ん」  まだ、硬い。 「ぁ、ン……久瀬、さん」 「たまんねぇわ……やっぱ」 「久瀬、さん?」 「ホント、可愛いよ」 「あっ、あぁぁぁン」  甘い猫撫で声は久瀬さんのが中でまた大きくなったせい。 「嘘、俺、また、イきそっ」 「あぁ、中、すげぇな。トロトロで」 「っん、ぁっ……ンン」 「ぐちゃぐちゃじゃねぇか」 「ぁっン、だって」 「エロい」  だって。 「好き、だから。久瀬さんのこと」 「……」 「もっと、めちゃくちゃにして欲しく、……ン、ふっ……ん、ンん」  抱き締められて、お腹のところでくちゅりと自分の吐き出したものがはしたない音を立てた。逞しくて、綺麗な久瀬さんの身体を白く汚してしまう。 「ン、久瀬さん」 「お前だけだよ」 「ぁ、ン、もっと、したい」  きゅぅん、って中が久瀬さんにしゃぶりつく。  脚をガバリと広げて、向かい合わせの状態で、久瀬さんの腰に跨って座りながら、繋がった場所がきゅうきゅうってしてる。  ねぇ、俺、重くない? 抱えて、脚の上乗っかられて痛くないの? 倒れてしまわないようにと引き寄せる腕は疲れない? 「俺なんかのどこがいいんだか」  どこなんて、そんなの。 「全部、だよ。久瀬さんの全部が、好き。久瀬さんがいい」 「……同じだ」  低い声が耳にキスしながらそう答えた。うなじを片手につかまれて、食われるみたいに晒す首筋に触れる唇に興奮する。まるで女の子みたいに、久瀬さんにしがみつきながら深く貫くペニスに悦んだら。 「可愛すぎて、困る」  そう呟いて、笑って、そこからは意識飛びそうなくらいに何度も激しい交尾に喘がされていた。

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