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第22話
自室のベッドへと腰かけた典生の前で、跪いた臣と芹が左右から手を取り、ぎゅっと握り締める。険しく寄せられた眉に後悔の念が滲んでいた。
「典生様は……あの男と番になるのですか?」
低く唸るような声で問われ、ぐっと喉が詰まる。二人とずっと一緒にいたいと願い続けてきたけれど、それは叶わない。外見も地味で、中身だって大した魅力のない自分に、羽根崎は言ってくれた。番になってもいい、と。
「……それもいいかもしれない」
こんな自分でも求めてくれる人がいるなんて幸せなことだ。それに羽根崎の身体は不思議なくらいぴったりと肌に馴染んだ。別れ際に見た真剣な眼差しを思い出していると、芹が大きく首を振った。
「典生様は渡さない! ガーディアン契約が終わるまで抜けがけしないなんて、クソみたいな約束しなきゃよかった! 臣の間抜け!」
「それはこっちのセリフだ! バカ芹!」
「へ……?」
突然馴染みのない乱暴な口調で、二人が言い争い始めた。典生は目を丸めたまま、ただ呆然とその様子を眺める。
(喧嘩……だよな、これ)
ばか、あほ、お前のせいだ、とまるで子供のような拙い言葉の応酬が続き、数分経過してからようやく我に返った二人は、ばつが悪そうにこちらへ向き直った。
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