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第23話

「……えっと、取り乱してごめん」 「本当は典生様が卒業されるまで我慢しようと思っていましたが、横からかっさらわれるなんて許せません。私はあなたをお慕いしています。この先もガーディアンとしてでなく、恋人としてお守りしたい」  予想外の言葉と熱い視線を一身に受け、典生の胸はドキドキと高鳴った。 (恋人として、って言った……?)  すかさず芹が割り込み、畳みかけるように続ける。 「俺も好きだよ! 典生様に会うまでは、金持ちの坊ちゃんオメガなんて、きっと世間知らずで甘ちゃんなんだろうってバカにしてた。でもあなたは俺たちを大事にしてくれて、気遣ってくれて、なんでもありがとうって感謝してくれるかわいらしい人だった。俺の好きな典生様を羽根崎に知られたのが悔しい! 番になんて絶対にさせないよ」  芹は繋ぎ止めるように典生を抱きしめた。ぬくもりが心に染みて、涙に変わる。 「俺……二人は仕事だから優しくしてくれるのかと思ってた……」  ほろりとこぼれた水滴を拭って、臣が額に柔らかなキスをした。

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