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出会いと不要な温かさ 02歩

「んぅ…」 眩しくて眠りから覚めていく。 もう朝だ。また苦しい一日が始まる。 それを信じたくなくて、目は一度も開けてない。 「はぁ…はぁ…」 平日の一日の始まりは苦しい。 僕は布団の中で丸まって荒い呼吸を繰り返す。 「はぁ…はぁ…」 胸が苦しい。目を開けたくない。 目を開けたら始まってしまう。 このまま死にたい。 どうして死ねないの。 「おい。大丈夫か?」 「はぁ…はぁ…」 幻聴まで聞こえてきた。とうとう僕は死ぬのだろうか。 やっと死ねる…。 そう思っていると布団が剥がされた。 「はぁ…え?はぁ…」 だ、誰…? 「ゆっくり呼吸しろ」 布団から視界が解放されて、一番に飛び込んだのは知らないスーツ姿のお兄さんだった。 お兄さんはベッドに座り、丸まっている僕をヒョイと抱き上げ、膝に乗せた。 そして僕を抱き締めながら、背中をトントンと優しく叩く。

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