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第11話〜司side
家を出て、桜庭が車で迎えにきていたので
ドアを開けて待っている桜庭の元へ行き、車に乗った。
「おはようございます」
「ああ」
「今日はお手間をお掛けして本当に申し訳ありません。」
「いいから、行くぞ」
「はい」
司が乗ったことを確認するとドアを閉め
運転席に座る桜庭。
それから黒崎組まで向かう。
少しの間沈黙は続いたが、桜庭が俺に問いかけた事によってその沈黙は無くなった。
「若、拾った子は大丈夫なんですか?」
「ああ、問題ない」
本当は少し心配だが、もうあれくらいの歳だ。
身の回りくらい大丈夫だろう。
だが、昨日の風呂の事があったからな…
気を遣いすぎてやりたい事が出来ない状況に
なってなきゃいいけど。
「詳しく説明してもえませんか」
「何をだ」
「子供を拾った経緯をです」
少々説明するのが面倒だったが
そういえば、電話で後で話すと言ってしまったことを思い出し、今後のことも考えて桜庭には全て話した。
「そう…ですか、その子に、若が組の人間だという事は教えているんですか?」
「まだだ」
「ずっと面倒を見るつもりならそこは早く話しておかなきゃ駄目ですよ」
「ああ、わかってる」
ずっと面倒を見る…考えてもなかった。
俺は佑月をどうしたいんだろうか。
1つだけ言えることはあいつを家に
帰してはならないということだ。
それも踏まえて佑月と一度話さなきゃならない。
今日もまだ様子は気になるしさっさと終わらせよう。
そんなことを考えているうちに着いたようで
桜庭がドアを開けた瞬間にすぐに降り、
佑月と会ってから少し緩んだ気を
引き締めて門へと向かった。
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