10 / 40
第10話
お風呂にも入り、ご飯も食べ終わって
2人でテレビを見ていた。
だんだん眠気が
襲ってきてウトウトし始める佑月。
「眠いのか?」
「ぅ…ん、、」
目を擦ってなんとか眠気にどうにか耐えようとするけれど
やっぱり眠くてそのまま隣に座る司の肩に倒れ
そのまま目を瞑る。
「おい、寝るならベッドに行け。」
「つかさ…は?」
「俺はソファで寝るから気にするな」
「司のベッドだから…司がベッドで寝て」
「怪我人はベッドだ」
「やだ、、じゃあ一緒にベッドで寝る…」
「じゃなきゃ行かない…」
「…。」
ベッドは何故か一人暮らししているはずなのに
ダブルベッドで大きいから、2人で寝てもよほど寝相が
悪くない限り十分な広さがある。
だから、佑月は一歩も引かずに司の顔を見続ける。
「あーわかったよ。」
そんな佑月に見続けられるのが、耐えられなかったのか
すぐに折れて、一緒に寝ることになった。
すぐに2人でベッドに行き、横になる。
しかし、佑月は相当眠かったようですぐに寝てしまい、
その横で司も佑月が寝たのを確認すると自分も睡眠に入った。
翌日、目を開ければ司は家を出る準備をしていた。
そういえば、今日は仕事だって言っていたのを思い出す。
とりあえず、お見送りだけしなきゃ。
リビングに向かい準備している司に近づき
司が準備している姿を眺める。
「おはよう」
「…はよ」
「もう行くの?」
「ああ」
「仕事頑張ってね」
「お前も大人しく家にいるんだぞ」
「うん」
「家の中なら何しててもいいからな」
「はーい」
司のお見送りをしようと玄関までついて行く。
そして僕が「いってらっしゃい」と手を振った瞬間
家を出ようとした司は「そういえば…」と自分のスマホを出して一度僕の方を振り返る。
「佑月スマホ持ってるか?」
「うん、一応」
「じゃ、貸せ」
そう言って僕はパスワードを解除してスマホを渡すと自分のスマホと僕のスマホをいじって何かをしている。
その何かを終えて「いいぞ」と言って僕にスマホを返した
「何したの?」
「俺の連絡先入れといたから、何かあったら電話しろ」
「わかった」
「じゃあ行ってくる」そう言う司にもう一度手を振って見送った後、玄関の鍵を閉めて僕はリビングへと戻る。
リビングへ戻ると朝ごはんとお昼ごはんが用意
されていたので、朝ごはんだけ手に取って食べ、
その後食器を片付けテレビを見て暇つぶししていた。
「いつ帰ってくるのかな」
僕の家にいるときは1人の方が楽で
誰も帰ってこなければいいのに…って思っていたのが
今はこんなにも1人が寂しくてつまらないものなんだと
思うようになっていた。
ともだちにシェアしよう!