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第13話

司が仕事に行った後、久しぶりに見るテレビに 釘付けになっていた。 特に、今再放送で連続して放送されている 恋愛ドラマが面白くて夢中だった。 そのドラマでは彼女が病気で入院している中 病院内で小さな結婚式を挙げているシーンだ。 病気で辛いはずの彼女もその彼氏も本当に幸せそうに笑っていた。 実際に僕が同じ立場なら笑う事はできないだろう。だけど一緒に喜び、時に泣いたりする事ができる関係を本当に羨ましいとも思った。 そんな感動のドラマを見ていて気づかなかった が、パッと時間を見ればもう12時で お昼を食べなきゃなと司が作ってくれたご飯を 電子レンジに入れて温める。 司がいないのは寂しいけれど 恋愛ドラマを見て感動して泣いている姿は 恥ずかしくて見られたくなかったので少しほっとする。 そしてご飯が温まったのか電子レンジが鳴り ご飯を取って椅子に座る。 「お昼は…カレーだぁ!!」 カレーはお母さんの得意料理だったから よく家に出てきて食べていた事を思い出す。 お母さんのカレーは本当に美味しくて大好きだった。 「いただきます。」 そう言って手を合わせてから 司のカレーを一口食べれば、驚くくらい 美味しくてすぐにお皿を空にしてしまった。 「ごちそうさまでした。」 なんだか食べたらお腹いっぱいなのと お昼の日光が気持ちよくてソファでそのまま寝てしいそうだった。 だけど… その時僕のスマホから着信が鳴って、司かな?と覗いて見れば…思わぬ人からの連絡。 「…っ」 先ほどまでの眠気はまるで嘘かのように どこかへ飛んでいってしまった。

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