13 / 40
第13話
司が仕事に行った後、久しぶりに見るテレビに
釘付けになっていた。
特に、今再放送で連続して放送されている
恋愛ドラマが面白くて夢中だった。
そのドラマでは彼女が病気で入院している中
病院内で小さな結婚式を挙げているシーンだ。
病気で辛いはずの彼女もその彼氏も本当に幸せそうに笑っていた。
実際に僕が同じ立場なら笑う事はできないだろう。だけど一緒に喜び、時に泣いたりする事ができる関係を本当に羨ましいとも思った。
そんな感動のドラマを見ていて気づかなかった
が、パッと時間を見ればもう12時で
お昼を食べなきゃなと司が作ってくれたご飯を
電子レンジに入れて温める。
司がいないのは寂しいけれど
恋愛ドラマを見て感動して泣いている姿は
恥ずかしくて見られたくなかったので少しほっとする。
そしてご飯が温まったのか電子レンジが鳴り
ご飯を取って椅子に座る。
「お昼は…カレーだぁ!!」
カレーはお母さんの得意料理だったから
よく家に出てきて食べていた事を思い出す。
お母さんのカレーは本当に美味しくて大好きだった。
「いただきます。」
そう言って手を合わせてから
司のカレーを一口食べれば、驚くくらい
美味しくてすぐにお皿を空にしてしまった。
「ごちそうさまでした。」
なんだか食べたらお腹いっぱいなのと
お昼の日光が気持ちよくてソファでそのまま寝てしいそうだった。
だけど…
その時僕のスマホから着信が鳴って、司かな?と覗いて見れば…思わぬ人からの連絡。
「…っ」
先ほどまでの眠気はまるで嘘かのように
どこかへ飛んでいってしまった。
ともだちにシェアしよう!