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第33話
ご飯を食べ終わった後、さっきは司の事で
頭がいっぱいいっぱいだったから忘れていたけど、まだ僕の怪我は完全に治ってはいなくて、
座っている椅子から立とうとすると痛みがはしり、ベッドに行こうとしてもなかなか行けずにいた。
だから、諦めて司にお願いする事にした。
「つかさ、おんぶして」
「は?」
「おんぶ!」
「どうした、まだ傷が痛むのか?」
「うん、だからお願い…おんぶして」
「わかったよ。ほら、こっちこい」
司の肩に手を回しそのまま体を預けた。
僕も男だから多少は体重があるはずなのに
そんなのはまるで気にならないかのように軽々持ち上げ、立ち上がった。
「で、どこまで行きたいんだ?」
「ベッド」
「眠いのか」
「うん」
そして連れてこられたベッド。
司が僕を下ろすためベッドに座りそのまま僕を寝かそうとする。だけど僕はこのまま1人で寝るつもりは毛頭なかった。
だから司がベッドに座ったと同時に僕は司に腕を回した状態のまま後ろに倒れ、司と僕が2人でベッドにダイブした形になった。
「あ、おいっ…あぶねーだろ」
「ベッドだから危なくない」
「いいから腕離せ。ここまで連れて来てやったろ?」
「やだ…司も一緒に寝る。2人で昼寝する」
「はぁ?まだ食器とかそのままだろ」
「いやだ!いやだ!!いやだ!!!」
「なぁ、どうしたんだよ?」
どうしたって?そんなの僕もわからない。
ただ、1人が怖いだけ。
司といない間に自分の部屋で1人で美仔さんと晃くんに怯えながら毎日寝てた…だからかもしれない。
司と一緒になった今、1人になるのが
どうしようもなく怖い。
「別に…」
「ちゃんと言え」
「…」
「佑月」
「…僕が寝てる間に司がいなくなっちゃうかもしれないし、やっぱり…まだ1人になるのは怖い」
「何回も言ってるけどな、俺はお前を1人になんかしねえよ」
「じゃ、証明して。一緒に寝て。お願い…」
「わかったよ」
そのまま僕が腕を話すと司は、僕と対面するように体を僕の方に向け、少しだけ抱きしめてくれた。
「つかさ?」
「これで怖くねーだろ?ほらさっさと寝ろ」
「うん。ありがとう」
司の匂いがするベッドにそのまま僕は眠りに入った。
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