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第34話〜司side
最近の俺はまた更におかしくなってしまったらしい。
佑月が寝てしまって15分後くらいに
俺のスマホから着信がなった。
その着信相手を見れば【佳奈】と表示されていて
それは俺が佑月と出会う前…よく遊んでいた女のうちの1人の名前だった。最早今の俺には不要な女で、電話に出ずそのままにしておこうと思ったが、一向に鳴り止まず、佑月が起きてしまうと思い仕方なく出た。
ーーー『あ、やっとでたぁ〜』
「うるせえな、なんだよ」
ーーー『つかさぁ〜たまには私と遊んでよぉ〜』
「お前と遊ぶ時間なんてもうない」
ーーー『どうして?昔はもっと構ってくれたじゃない?』
「暇じゃねえんだ。もう切るぞ」
ーーー『嫌よ!最近連絡くれないし、付き合い悪いし、私もっと司と遊びたいのよ。司…ねえ、いいでしょ?』
いい加減、このしつこい女をどうにかしたい。
この甘ったるい声といい、話し方といい全てが感に触る。
すると俺の声で佑月を起こしてしまったようで
佑月は少しだけ起き上がり、俺の膝の上に上半身だけ乗ってきた。
「つかさ…?誰かと電話してるの?どっか行っちゃうの?」
「悪い…起こしたか?どこにも行かねえからもう少し寝てろ」
「ぅ…ん、、」
少しだけ頭を撫でてやれば、俺の腰に腕を回して抱きしめながらまた直ぐに眠りについた佑月を見て安心し、再び電話に戻る。
ーーー『司!今の何!?もしかして女ができたわけ!?』
「だからうるせえって。わかったならもう2度とかけてくるな」
ーーー『酷い!あんたなんか最初から遊びだったんだから!』
「なら、もういいだろ?じゃあな」
ーーー『ちょっと!待っ───』
やっと終わった。
女と話すのってこんなに疲れるもんだったか?
だけど、今隣で眠っている佑月の顔を見たら女と遊ぶ気なんて起きなかった。
それに今の俺は佑月といる時間を何よりも優先したいだなんて思い始めてきている。
最初はただ気まぐれで拾って、同情で面倒を見ていただけなのに、いつからこんなに感情的に佑月に接するようになったんだろうか?
未だに情緒不安定な佑月から目を離すことは絶対にできないし、絶対にしちゃいけねえ。
それはきっと佑月の精神状態が安定しても変わることはない。もしかしたら依存してるのは俺の方だったりするのかもな。
本当に俺はどうしちまったんだ…
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