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第2話

「おにーさん、オレのこと買わない?」 唐突にコンビニ帰りの道端でそんな事を言われて、咥えていたタバコを口から落とした。 キョロキョロと周りを見渡すが、夜も遅い時間、ここにはオレとソイツだけ。 「ダメかな? 三時間の間なら好きなことしていいよ」 茶色い髪のいかにも今時のチャラい美少年……いや、青年か? とにかく若くみえるソイツは終始笑顔。 なんか軽いやつだな。 「……金に困ってんのか?」 男を買う気は毛頭ないけど、男相手に誘ってくるソイツに少しだけ興味が出た。

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