風呂から出てきた千鶴はうちの三匹の猫達と遊んでいるうちに気が付いたら一緒に眠ってしまっていた。 警戒心の全くない千鶴に少し困惑しつつ、客用の布団を押入れから出してきてかけてやった。 見ず知らずの男を簡単に泊める俺も相当、警戒心がないんだろう。 千鶴といい勝負かもしれない。 千鶴と猫達が眠る居間の電気を消すと、台所で濃いコーヒーを淹れて、仕事用の部屋に篭った。 昼間より夜の方が筆が進むタイプの俺は、この時間からが仕事の時間だ。 今日は千鶴という思いがけない出来事があったから、いい刺激になっていつもよりスラスラ書けそうな気がした。