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第14話

*** 千鶴と出会ってから三日が過ぎた。 あの日、猫と眠っていた千鶴は俺が仕事に集中してる間にいなくなっていた。 まるで気まぐれな猫のような奴だった。 置き手紙くらいしていけばいいのに、何の痕跡も残さずに消えていった。 でも、まぁ、野良猫なんてそんなもんだろう。 何処かで元気にしていればそれでいい。 居着く奴はまた来るし、自由なままがいい奴はそのまま来なくなる。 うちの三匹の猫達も最初はそうだった。 身体にあった傷やアザは気になったけど、これ以上は全くの他人の俺が踏み込んでいい話じゃない。 だから千鶴も何も言わずに消えたんだろう。 きっとこれでいい。俺には千鶴を買う気なんかないんだから。

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