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第26話

「オレ、昨日汚かったでしょ。それなのによく家に入れてくれたなーって」 それまで無邪気だった表情が一変して曇った。考えている事を悟られたくないのか茶碗の中の白米に視線を落とす。 「あんな状態で放り出す奴なんていないだろ」 「そんな事ないよ」 苦笑した千鶴は言いたい事を飲み込むように朝食を黙々と食べた。 千鶴が今までどんな人間とどんな生活をして来たかは知らないが、決して幸福な生活ではなかったんだろう。 「俺はどんな汚くても放り出さねーぞ。汚かったらまた風呂貸してやるから遠慮すんな」 洗えば落ちる汚れなら洗えばいい。 消えない汚れはゆっくり時間をかけて落としていけばいい。 「やっぱり皐月さんはイイヒトだよ」 「なんでもいいさ、したいようにしてるだけだから」

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