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第34話
「お前はお前のままでいいんだよ。そりゃ、体は大事にした方がいいけどな」
髪の毛をぐしゃぐしゃに撫でてやると、安心したように目を閉じる。
懐かれているんだな、きっと。
俺みたいな人間が周りにいなかったんだ。
だから、千鶴の言う「好き」も恋愛というより、友情に近い「好き」なんだろう。
猫が飼い主に懐くようなもんだ。
「あんまり無理すんな。傷だらけだと流石に心配になる。せっかく綺麗な肌してんだから」
それしか出来ないと言うなら、せめてこれ以上痛々しい思いはしないでほしい。
見てるこっちが辛くなる。
「オレ、肌綺麗?」
「ん?ああ、白くて綺麗だと思うけど?」
「触る?」
「なんでそうなる」
突拍子もない事ばかり言い出す。
どんな思考回路してんだか。
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