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第57話
朝飯の後は片付けをして居間で猫達と戯れて、一緒にゴロゴロしていた。
何か目的がある訳でもなく、同じ時間を同じペースで過ごす。
変わったのはお互いの距離だけ。
今までは少し離れた場所に座っていたけど、今日はそれが隣になった。
どちらからとも無く、隣に座って、何となく一緒に寝転んで、そこに猫達が乗っかってくる。
不意に目が合えば、別に面白い訳じゃないのに笑いあって額同士をくっ付けた。
手を繋いでそのまま居間でうたた寝をして、気がつけば夕方。西日が窓から射していた。
隣にいた千鶴は先に目が覚めていて、夕日を眺めながら遠い目をしていた。
一枚の写真みたいに絵になる綺麗さに、寝転んだまま暫く見とれていた。
猫が一匹、ニャアと鳴いた。
そして玄関のチャイムが鳴り、繋がったままの手がゆっくりと外された。
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