「俺が卒業した後に入学して来た女生徒に手を出したのがバレて学校を辞めたってさ」 「……ホントに？」 初めて聞いた時は俺も信じられなかった。 根津は確かに女生徒にも人気があったけれど、そんな間違いを起こす様な浅はかな人間じゃなかった。 「根津の事が好きでストーキングしてたんだってさ、その生徒。奥さんも子供も居るのに家まで押し掛けて、奥さんに別れろって言ったり結構酷かったらしい」 「怖いね……」 肩を震わせた千鶴を傍に引き寄せて後ろから抱き締めた。 細い肩に、白い項。項についた赤い痕は俺の独占欲の印。 周りが見えなくなるくらい恋に溺れる様な、そんな相手にその女生徒は出会ってしまった。 まだ心も成長段階の時期に強烈な衝撃を受けたんだろう。 女生徒はとうとう、根津と付き合っていて妊娠していると周りに吹聴し始めた。