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第147話
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一緒に風呂に入って、いつかとは逆に俺が髪やら身体やらを洗われてしまった。
千鶴は鼻歌を歌いながら楽しそうだった。
居なかった二日間で仕事をして来たのかと思って、千鶴の身体を見たけど新しく付けられた傷はなかった。
もう千鶴の身体に傷が出来るのは嫌だった。
髭もちゃんと剃って、この二日間の汚れや負の感情を洗い流した後、味噌汁と卵焼きで遅い晩飯を食べた。
何にも食べてなかったから、やけに味噌汁が身体に沁みた。
一緒に食べるご飯は特別美味かった。
食器を片付けている間、千鶴はいつもの様に猫達とじゃれていた。
猫達も気のせいか嬉しそうにしていた。
片付けが終わると千鶴の部屋に入って、散らばったままの万券を拾い集めた。
結構な枚数あって、拾うのに意外と時間がかかった。
この金が千鶴のケジメの証。
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