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第186話
「今年もご苦労さん」
ぶっきらぼうに言ったソイツはそれでも嬉しそうに笑った。
「今日は爺さんの命日だからな。こんな日くらい来ないと夢で叱られる」
「確かに」
二人で顔を見合わせて笑っているのを千鶴が隣で見ているのに気が付いて慌てて紹介した。
「うちの同居人の千鶴」
「同居人? お前、とうとう人間拾ったのか?」
あながち間違ってないから苦笑いで誤魔化す。
隣で千鶴がペコリと頭を下げた。
「はじめまして……あの、今日はいきなりすみません」
「ああ、気にしないで。爺さんも賑やかな方が好きだから」
不器用に、けれど優しく笑顔を見せた事で千鶴も警戒を解いた。
「千鶴、コイツは俺の大事な親友」
「皐月さんの?」
「そう。前に話しただろ? 真幸だよ」
「どうも。って、何を話したんだよ」
「そりゃ、お前、俺達の黒歴史だよ」
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