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第188話
職員室に飾られた爺さんの写真の横にさっき買ってきた花束を活けて飾る。
墓参りもいいけれど、何となく爺さんはここにいるような気がして命日には必ずここに来る事にしていた。
真幸がこの施設の職員として戻って来たのは、全身から薬が抜けて離脱症状からもやっと解放された後。
最初は資格もない、元ヤクザなんて雇えないと断られたけれど何度も通って施設長とも飽きるほど話し合って、ならここで産まれ直すつもりで必死で爺さんに恩返しをしろと言われたらしい。
元々その覚悟でここに戻ってきた真幸。
何か問題を起こしたら直ぐに辞めると約束を交わし、働き出した。
真幸の様なタイプの人間は初めてだった子供達も真幸が意外と優しく笑うのを見て、恐る恐るだが打ち解けていった。
今では真幸に憧れて強い男になりたいと言い出す子供もいるらしい。
喧嘩は教えるなと施設長にきつく言われ、その子供と一緒に空手の真似事なんかをしているとか。
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