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第189話

子供達に誘われて一緒に遊ぶ千鶴を眺めていると、仕事の手が空いた真幸がやって来て隣に並んだ。 二人並んで暫く子供達と千鶴が楽しそうに遊んでるのを見ていた。 俺達がここに居た頃、あんな風に楽しく遊んだ記憶はない。 職員に手を引かれて、やりたくもない鬼ごっこやかくれんぼをした事はあったけど心の底から笑って楽しんだ事は無かった。 あの子供達の中にも俺や真幸みたいに心に闇を抱えて楽しめてないのもいるのだろう。 それでも人は成長して大人になる。こうやって遊べるのは今のうちだけだ。 出来ることなら真っ直ぐに明るい場所で生きていってほしい。 この施設にいるという事は既に何かしらの辛い思いをしたからだから。 それを優しさに変えて、何度挫けても立ち上がれるように。 「皐月」 「ん?」 「付き合ってるのか?」 真幸の問いに俺は何て返したらいいか少し悩んだ。

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