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7-1:午後1時のたこパ (1)

しとしと。 柔らかな雨の音が、薄暗い空間を埋め尽くす。 細かい飛沫が窓を濡らし、外の世界の輪郭が曖昧だ。 降り出した初日は季節外れの暑さを和らげる恵みの雨だと歓迎したけれど、さすがに連続五日目ともなると少しずつ気が滅入ってくる。 天気予報が週明けまで傘マークばかりなことを確認し、スマートフォンをサイドテーブルに戻した。 起こしていた上半身を傾け、引き締まった白い背中に視線を落とす。 穏やかな呼吸の音に合わせて規則正しく上下する肌色にそっと手を這わせると、ほんの僅か身じろぎした。 「ん……んぅ……」 「おはようございます、理人さん」 「お、はよ……もう、時間?」 「え?」 「ランニング……」 「残念、雨です」 プッ、背中があからさまにホッとした――と、思ったけれど、 「先週も、雨、だった……」 背中越しに聞こえた呟きには、僅かな不満が混じっていた。 あれ? もしかして、けっこう楽しみにしてくれてたんだろうか。 「梅雨ですからね。しょうがないです」 「……うん」 理人さんは、肌蹴ていたタオルケットを引っ張り上げ、もぞもぞとその中に潜った。 静まり返った寝室が、再び雨が落ちる音に包まれた。 当たり前のように二度目モードに入ってしまった理人さんを前に、どうしたものか、と思案する。 ちゅっ。 タオルケットからはみ出た首筋に口づけると、細い身体が大袈裟に跳ねた。 「……ねむい」 「はい」 不機嫌丸出しの言葉に笑ってから、唾液で湿った肌をそっと撫でる。 ぴくり。 強張る背中が、愛おしい。 「……だから」 「いいですよ、寝ててください」 毛羽立った布をめくり上げ、露わになった腰のラインをそっと手のひらで包んだ。 脇腹を上へと辿りながら、肩甲骨に舌を這わす。 鈍く光る筋を描きながら堪能していると、ふと強い力に拒まれた。 「やめますか?」 「佐藤くんが変なキスするから……」 「勃っちゃった?」 俺の手を拒む長い指は小刻みに震え、耳の後ろ側が真っ赤だ。 かわいいな、ほんとにもう。 「責任、取って」 「喜んで」

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