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第1話

(たすく)様、起きていらっしゃいますか」 頭の奥で声が聞こえる。まだ眠い。 「あ~、あと五分だけ、、、」 「そんなことを言っている場合ではありません」 布団を剥がれた。 「もう、わかったから、起きるから!」 ぼーっとする頭を起こしながら、ベッドを降りた。 ___ 「それでは、今日のご予定を確認させていただきます」 「あーい」 執事、というよりはお世話係である神田(かんだ)がしかめ面をする。 広いダイニングには数人の使用人と俺と神田しかいない。 神田が咳払いをした。 「まずは朝ですが、いつものようにお送りします。そして昼には生徒会よりインタビューがあるそうですのでお忘れなく」 「へえ~。内容は?」 「学内の雑誌だそうです。次に夕方ですが五時には帰宅されてください」 「へいへい」 「七時より提携記念のパーティーが開かれますので、出席していただきます。特にそれ以外の予定はありませんが、本日ボストンより利久(りく)様が帰国されるようです」 名前が反芻される。 「、、、、そうか」 頭から離れなかった。

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