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目覚め1
あの後……
黒田の狂行から彰広に救い出されてから丸二日。透は眠り続けた。
彰広との狂ったようなセックスの疲労もあったが、薬物を使われたことや精神的なショックも大きかった。
三日めの夜に透は目覚めた。
彰広の部屋で。
彰広の腕の中で。
……目覚めたのが夜で良かった。
昼間に一人のベッドで目覚めていたら、耐えられなかったかもしれない。
眠っている間に体を清められたようで、肌に不快感は無くさっぱりしていた。
だが少し動かせば、ギシギシと軋むように体が痛んだ。
どれだけ時間がたった?
彰広の腕に囲われ動けないので、時間を確かめる術がない。
透は何もかも夢だったような気さえしていた。
だが、手首を見ると拘束された箇所の手当てをされていた。
……現実だ。
透は微かに青ざめ、指先が無意識に震えた。
黒田はどうなった?
彰広に助け出された時、他にも数人の男が部屋に入ってきていた。
透の心臓が跳ね上がる。
体温が下がっていき、指先が震えた。
透の震えに気付いた彰広がゆっくりと瞼を上げた。
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