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蘇生3

彰広は起き上がって、透を抱きしめた。 そして、くるりと透をベッドに押し倒して、今度は彰広が上になり、透の体の奥深くまで貫く。 「ああッ! あ、彰広!」 今度は透は抗議せず、彰広に身を任せて、裸身をくねらせた。 「………お前も脱げよ」 透にそう乞われた彰広は、体を離してスーツを脱いだ。 透もTシャツを脱ぎ、裸になった。 ………早く、早く透の中に戻りたい。 彰広は焦ったように脱いだスーツをベッドの下に放り投げて、すぐさま透の内へと己の男根を埋めた。 「ああ、透」 透はすんなりと伸びた脚を彰広の腰に絡めて、もっと奥深くへと、貪欲に彰広を咥え込んだ。 求められている。 彰広の体と心は歓喜に震えた。 動きを止め、じっと透を見つめる。 「彰広、好きだよ」 手のひらを彰広の頬に触れさせ、透が柔らかな微笑を浮かべて告げた。 「透!」 彰広は透をきつく抱き締めた。深く口付けて、これ以上ないくらいに強い力で抱き合う。 「好きだ、透。俺といてくれ。それだけでいい」 「ああ。どこにも行かないよ」 透の奥深くに突き入れ、抱いているのは自分の方なのに、透に抱かれているような錯覚に陥る。 抱きながら、抱かれている。 彰広は今までにないくらいに満たされていた。 「彰広、もぅ、動いて」 透が甘くねだる。 その声に従い、彰広は腰を突き入れ、大きく回した。 「あぁあ! アッ、はぁ、いい………気持ちいい………彰広」 「………透」 「もっと、ゆっくり………深く、して………ああ! あ、あ、あぁ!」 その夜のセックスは、激しいわけではなかった。 ゆっくりと長く、深く、どこまでも甘く。二人は交わり続けた。 朝がきても彰広と透は裸で抱き合ったままでいた。 お互いに離れがたかった。 ………もう少し、このまま。 戯れに唇を合わせては、互いの体温を感じていたが……… コンコンと寝室のドアがノックされて、八雲の冷めた声が聞こえた。 「いい加減、起きてくれます? 5分以内に出て来ないと、寝室に入って叩き起こします」 彰広は舌打ちをして起き上がった。 ベッドにいる透を、八雲だろうと誰だろうと、誰にも見せるつもりは無い。 彰広は適当に部屋着を着て、リビングに出て行った。 「さっさとシャワーを浴びて、頭を切り替えて来て下さい。あと15分で出ます」 「くそったれ」 「どういたしまして」 悪態を吐きながら、彰広はシャワールームへ向かった。 透も寝室からリビングへと出てきた。 「ゼロか百か、選んだんですね」 そう言った八雲に昨日の封筒を返して、透は答えた。 「昨日はありがとうございました。でも、最初から分かってたんでしょう」 透は苦手だったはずの八雲に笑いかける。 「私は負ける賭けはしない主義ですから」 抑揚の無い声で答える。 「何の話だ」 バタバタと彰広がシャワーを浴び終えて、腰にタオルを巻いただけでリビングに戻ってきた。 「いえ。さっさと着替えて下さい。あと10分です」 また舌打ちをして、彰広は部屋に戻った。 手早くスーツを着た彰広は、昨夜の弱さなど微塵も感じさせない見事な男ぶりだった。 腕時計に目をやり「上出来です」と、淡々と八雲が告げた。 「少し待て」 彰広は透の頭を引き寄せ、八雲の見ている前で深く口付けた。 「んんっ………!」 ひとしきり味わい、ちゅっと音を立てて離れる。 「お前………っ!」 慌てる透に、ニヤリと悪い笑みを浮かべて彰広が言った。 「行ってくる」 「………行ってらっしゃい」 少し頬を染めて、透が返した。 「仲が良ろしくて結構です。1分オーバーですよ。さっさと行きましょう」 八雲の冷たい声に押されて彰広が出て行った。 透は二人を玄関先で見送った。 「………くそ。昨日のしおらしさはどこいったんだよ」 ドアを見つめながら、赤い頬のままで透はボヤいたのだった。 end.

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