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「せんちゃん。送る?」 一の作った朝食を食べて今日は休みの一と万里に見送られる。一はたまたま今日は有給を取っていたらしい。 「あぁ。いや。大丈夫だよ。コネで副支配人になったって言われたら威厳なくなるしね」 「確かにね。わかった。忘れ物ない?」 「うん。いってきます」 「いってらっしゃい」 三人に見送られいつもと少し違う道を歩く。とても懐かしい場所。 今夜俺はちゃんと伝えようと思う。万里が好きだよって。ちゃんと… きっと万里は戸惑うだろうけど 万里side 「お前ら夫夫だな」 一がふと感慨深げに呟く。 「そう見えたなら嬉しいな」 「見えるよ。ねぇ。万里」 「ん?」 「今度戻ったら次はいつ帰国するの?」 「わからない」 「じゃあ…もしうまくいっても離れ離れじゃん!!」 「…そうだね…だからさ、結局…俺たちは…」 「…らしくねぇぞ。万里。」 「俺はたくさんせんちゃんを苦しめてきたからね…俺の思いは自分でも引くくらい重たいしせんちゃんの負担になってるのはわかってるの。俺がどんなにせんちゃんを好きでもせんちゃんはそうはなってくれない…決まった場所を持たずに仕事をすると決めたのは…忙しくして…せんちゃんを思う時間を…少しでもいいから…減らしたかった…配属が変わったら友里亜とも別々になる。俺はこれまで友里亜や他の人に支えられてきた。でも生きていくには一人で立つ術を身に付けないと…だからもうやめるの。色んな人と寝ること…」 「…千里がもしお前を好きだと…愛してると言ったら?」 「ん~…。せんちゃんは離婚したばかりで寂しいだけだと思う」 「だーかーらー!!千里は万里のことを好きだっていってるじゃん!」 「ももにはわかんないよ。俺がこれまでどんだけせんちゃんに酷いことしてきたのか…苦しめてきたのか…我慢させてきたのか…せんちゃんは優しいから俺の我儘を聞いてくれたんだ…せんちゃんは女の人と恋愛ができる人だよ…。せんちゃんの人生の枷にはなりたくないよ…大好きだけどせんちゃんのこと大好きだからこそ…せんちゃんには冷静になってもらわないと…付き合ったときも寂しかったからたまたま居合わせた俺が都合よかっただけだし…だから…」 「…万里。千里が本当にお前をただの都合のいい相手にしていただけだと思ってんの?千里はそんないい加減な奴じゃないことくらいお前ならわかるでしょ?」 「ううん。あのときは確かにそうだった…一緒にいたからこそわかるんだよ…せんちゃんは俺を見てなかったんだよ。俺じゃない先を見てた…」 バシッ 「った…ももちゃんなにするの?」 「千里はそんなやつじゃねぇ!」 思いっきり叩かれた頬を擦りながらももちゃんを見た ももちゃんの目には涙がたまってきてた 「ももちゃん?」 「万里…ちゃんと千里の言葉を聞け。千里は嘘はつけない。かなり鈍感ではあるけどお前を都合よく使うなんてことは絶対にしない。お前と同じ好きではなかったって確かに言ってたよ。けど本人は気づいてないけどそう言ってる千里はすっごく苦しそうだった!無理にそう思おうとしてるみたいだった。傷を少しでも小さくしたい子供みたいだった!今になって…やっと…やっと本当の気持ちに気付けたのにお前が否定すんな!苦しめたって思うなら信じろ!じゃなきゃまた殴りにくんかんね」 「ももちゃん…」

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