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万里side 「…すごいね…二人とも」 「すごくはねぇ。お互いがそれが一番だと思ってるってだけ」 「本当は一もずっと家にいて欲しい。だって一相変わらずモテるしよく女の匂い着けてくるし」 「え?いっちゃん…まさか…」 「もも…誤解を招くような言い方をするな。相変わらず女がすり寄ってくんの。ほらお前らには負けるけど俺って顔いいでしょ?仕事できるでしょ?人当たりもいいでしょ?正直言うとその場で吐きそうなくらい嫌だし相手を抹殺したいけどさ波風たてないのが俺のポリシーでしょ?」 「そうか…嫌じゃないの?ももちゃん」 「だって結局一は俺が一番だから。女の匂いが強ければ強いほど酷く抱いてくれるよ?気持ち悪いっていいながらね」 「それって…どうなの?」 「俺の匂いの方がいいってことでしょ?だから幸せなの」 「…ここまでくるとなんか…うん、俺なんて…足元にも及ばないと言うかなんと言うか…」 「だから、千里の言葉を聞いて受け入れろ。その後のことはまた一緒に考えればいい。二人で解決しないなら俺たちに話してくれていいし白鳥に話してもいいんじゃね?後は親父さんも」 「…親父は…」 「まぁ。どのみちもう子供じゃないんだし決められることはあるだろ?」 「そうだね…わかった…頑張ってみるよ」 「一…やっと…万里見つけた」 「え?どゆこと?ももちゃん」 「万里のウソの笑顔気持ち悪かった。気付かないとでも思った?お前が強張ってるの。バカだねぇ」 「ももにバカっていわれちゃ世話ないな。万里。下手になったな。演技が」 「へ?」 「本当に…」 「…演技?」 「気付いてないの?本当はお前は野心家で強突張りでしょ?全部見せなよ。千里には見せてただろうけどね。別にお前がどんなんでも俺たちはお前を嫌いにはならないからさ。ね?」 「なんかよくわかんないけど…うん。わかった。ありがとうね」 二人と話せて少しだけ気持ちに余裕が出てきた。 せんちゃんが帰ってきて俺に何を話してくれるのかはわからないけれど…もしも…ううん…ちゃんと考える…聞いてから考えよ… そう思いながら帰ると言う二人を見送った そして部屋の掃除とか洗濯とかしているうちに日は陰ってきた。夕飯は一緒に食べられるのだろうか? 折角なので昨日の余った材料で夕飯を作ることにした。仕込みも終わった時電話がなった 「もしもし…え?…わかった。すぐいく」 電話を切ってせんちゃんにはあのときみたいに手紙を残して部屋を出た。

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