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第90話

緊張の面持ちで二人と対峙する万里。その横で溝芽くんがきゃっきゃっとはしゃいでいた 「ちーちゃんちーちゃん」 「ん?」 「まりちゃんかわいいねぇ」 「まり?」 「うん。まりちゃん」 万里を指さしながらニコニコする溝芽くん。 「お父さんがね、教えてくれたの。万里くんのお名前はまりとも読めるよって。万里くん可愛いからまりちゃんなの」   「そゆことね」 「だからせんりくんはちさとちゃんね」 溝芽くんの基準はわからないがまぁなにかあるんだろうと取り敢えず頷いた 「ねぇねぇちーちゃん」 「ん?」 「どうしてパパとお父さんはこわーいお顔してるの?まりちゃん悪い子?」 「ん〜…悪い子ではないんだけどね。俺たちのこと忘れちゃったんだ。大怪我をして」 「そっかぁ…」 そういうと溝芽くんは万里の膝に座りに行った 「溝芽くん?どしたの?」 「パパとお父さんがまりちゃんに意地悪しないか見てるの!まりちゃん可愛いから怒っちゃ駄目!僕がいたら怒られないでしょ?特にお父さんはいじわるだからね!」 「溝芽。パパたち怒ってないよ」 「怒ってるもん!だっておめめがこーんなになってるよ」 自分の目を指でキュッと上げて頬を膨らました溝芽くんの顔が可愛くて思わず笑ってしまった その姿に顔を綻ばせた百がそっと溝芽くんの髪をなでた 「ごめんな。そんな顔してた?」 「うん!パパは笑ってる方が可愛いよ!お父さんはいつも怖いし好きじゃないけど」 「こら!溝芽」 「ほらぁ!まりちゃん助けてぇ」 そういうと万里の胸に顔を埋めスリスリしながらさり気なく万里の服の中に手を入れて胸辺りに手を這わせた 「こら!溝芽!万里の乳を揉むな。」 「だって!可愛いから!それにおっぱいあるもん」 そう抗議しながら今度は手はそのままで万里の頬にキスをした 「こんの…エロガキ」 「こうするとみんな喜ぶもん!」 「…誰に似たの…そういうの…」 「…百だな。エロガキだったもんな…」 「ちょっ!!子供の前で言わないでよ!」 慌てる百の表情にやっと一の顔が綻んだ 「おぅ…流石お父さん…笑うとイケメン」 「知ってる。なぁ溝芽」 「ん?」 「少し部屋で遊んでられるか?」 「いや!」 「…パパも一緒ならいい?」 「…いや」 「溝芽。パパは嫌なの?」   「違うー違うもん!」 「お父さんね、まりちゃんとちーちゃんと大切なお話があるんだ。まりちゃんのことは怒らないから…だめかな?」 「うーっ…その顔反則だよ…わかったよぉ!仕方ないなぁ…じゃあパパいこ!」 そう言って渋々立ち上がり百の手を引き部屋に向かった。ドアが閉まるのを確認してもう一度向き直った   「万里」 「はい」 「…お前さんやっぱすごいね」 そういうと一路はニコリと笑った

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