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第19話[最終話]
それから擦れ合う体の温度を感じ、彼の高ぶりを素肌で感じ取る。
「あのさ、ほんとにするの?」
「うん、念願の」
「嬉しそうに尻尾振んなよ……」
「だって天心、大好き」
(大好き、か……)
その言葉に、どういうわけか胸がきゅんと反応した。
(もしかして、俺も好きなのかな?)
そんなことを考えるうちに、後ろを指でほぐされ、熱いものを押し当てられる。
「あ、しど……ぁあっ!」
自分でも驚くくらい甘い声が出て、ひどく気恥ずかしい気持ちになった。
俺の中へと腰を進めながら、彼は熱い吐息とともにささやく。
「はあ、天心、大丈夫、だから……」
「……っ、大丈夫って何、めっちゃ入ってんのに!」
「ははっ」
「笑うなバカ!」
言い合いながらも、体はしっかりと結ばれる。
張り詰めた痛みに汗が出た。
でも、この状況を案外イヤじゃないと思っている自分もいて。
「動いていい?」
「いや、待って……あっ、こら、待てって言ってる!!」
それから俺はこの狂犬に、ベッドの上でワンワン鳴かされるはめになった――。
了
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